OPTION B(オプションB)〜逆境、レジリエンス、そして喜び〜シェリル・サンドバーグ、アダムグラント著
逆境に陥ったとき、考えるべきは次にどうするか。それがオプションB。
著者シェリル・サンドバーグ、アダム・グラントの書いた「OPTION B(オプションB)」を読んだまとめです。
オプションB
オプションB、次善の選択肢のことだ。著者のシェリル・サンドバーグは夫を亡くし、逆境の最中にいた。
そんなときに友人のアダム・グラントより、逆境から立ち直るための考え方を教えてもらう。
最悪の事態が起こったときに、考えるべきは「次にどうするか」である。レジリエンス(逆境から立ち直る力)はあらかじめ決まってはいない。アダムはどうすればレジリエンスを高められるかを考えるのが大事だということを説いた。
逆境から立ち直る3つのP
心理学者のマーティン・セリグマンは失敗や挫折をどのようにして対処するのかを研究していた。マーティン・セリグマンによると、「3つのP」が苦難からの立ち直りを妨げることを明白にした。
その3つのPとは
- 自責化:Personalization
- 普遍化:Pervasiveness
- 永続化:Permanence
である。
自責化とは「自分が悪いのだと思うこと」。
普遍化は「あるできごとが人生の全ての側面に影響すると思うこと」。
永続化は「ある出来事の余波がいつまでも続くと思うこと」。
つまり、「すべてが自分一人のせいではない、人生の全てが悪くなったわけではない、この逆境や悪いことはずっとは続かない」ことに気づけば、立ち直りが確実に早くなる。
自責化、普遍化、永続化をしない人は鬱になりにくい、また、状況によりよく対処できるのである。
もっと悪い事態を想像する
最悪だと思うことが起きたとき、人はよくポジティブなことを考えようとすることが多い。しかし、アダム・グラントはその逆をやれと言った。
つまり、起きた事態よりももっと悪い事態を想像することである。
夫が病気で亡くなった。しかし、夫が子どもたちを乗せて、運転中に不整脈を起こしたら、子どもたちまで被害にあっていたかもしれない。
すると、子供が元気で生きていることに対して感謝の念が湧いてくる。
そして、この感謝の念が悲嘆をいくらか和らげてくれるのである。
喜びを取り戻す
毎日、「喜びの瞬間」を3つ書いてみる。眠る前にその日ハッピーだった出来事を3つ書くのである。これを続けると、ちょっとした喜びに気づき、感謝の念をもちやすくなるのである。
そして、たった3日間、楽しかった経験について書くだけで、その後の3ヶ月にわたり、精神状態が改善し、医療機関にかかる回数も減ったという。
人は「失敗した行動」ではなく、「行動し損ねたこと」への後悔が大半を占めている。心理学者によれば、人は掴んだチャンスよりも、掴まなかったチャンスを後悔することが多いという。
今何かしたいことがあるならば、今すぐにでも始めることをおすすめする。
まとめ
オプションBを読み終え、逆境から立ち直る術として
- 次にどうするかを考える
- 3つのP(自責化、普遍化、永続化)より、「逆境は自分ひとりのせいではなく、全てではない、ずっとは続かない」ことを頭に入れておくこと。
- 今起こったことより、さらに最悪の事態を想像する。
この3つであろう。
また、幸福度を上げる簡単な方法として、毎晩寝る前に良かった事やハッピーなことを3つ書いてから眠るのがいい。
この本はシェリル・サンドバーグが夫を亡くした際のエピソードが書かれており、いかに今の逆境から立ち直るかを教えてくれる。
皆さんもぜひ、一読してもらいたい。