コールドリーディングとは?恋愛に活かすには?
コールドリーディングという言葉を聞いたことがありますか?おそらく知らない人が多いと思います。実は占い師がこれを使っています。今回は占い師、メンタリストが使うコールドリーディングについてと、恋愛においての活かし方の考察をしてみました。
コールドリーディングとは?
コールドリーディング(cold reading)とは、何の準備も無しに相手のことをバンバン当てていく話術のことを言います。コールドリーディングの特徴として、こちらの言ったことに対して、相手は自分自身から情報を提示していくことになり、結果的に当てられていると錯覚してしまうのです。
コールドリーディングとは、話術の1つ。外観を観察したり、何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当てて、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。
これに対して、事前の準備をしておき相手の情報がある状態で、さも相手のことを知っているように当てることをホットリーディングと言います。
占い師は実はコールドリーディングの方を使っています。つまり、占い師が言い当てられる、予言ができるのはコールドリーディングという話術を使っているからなのです。
多くの人が占いを信じたりするのはこのためで、実際には人の将来などわかるはずがないのです。コールドリーディングは占いに使われるならまだいいのですが、悪用して詐欺に使う人もいます。そういう詐欺師に騙されないための防衛法も教えますので、是非覚えておいてください。
主なコールドリーディング
それではまず実際にコールドリーディングの手法を説明します。いくつかありますが、特によく使えるものを個人的に選定して紹介します。その前にマインドスクリプトというものも知っておいたほうがいいです。
マインドスクリプト
これはあなたが誰かと会う前に自分の思いを表明する短く単純で前向きな言葉です。相手に会う前に心の中でその言葉を唱えて、相手との会話の最中もそれを反復します。
「私はあなたが好きで、あなたも私が好き。だからこの会話はすごくうまくいく。」
「僕は君が好きだし、君の好きなタイプは僕だ。きっと楽しいデートになるぞ。」
特に初めて人に会うときは期待と不安で胸がいっぱいになります。しかし、これをマインドスクリプトをしておくだけでも、相手と会った時の状態が大きく変わります。
虹色の戦略‐The Rainbow Ruse
虹色の戦略は「対極的な傾向について同時に述べる」ものです。
例えば、「あなたはとても世話好きで、いつも人に何かをしてあげていますが、時として自分もそうされたい、してほしいという欲求があります。」という感じです。
虹色の戦略は様々なバリエーションがあり、外交的なのに内向的、恥ずかしがり屋なのに自信家、信用できる人なのに無責任など、ある言葉の対極に当たる言葉を一緒に述べていけばいいのです。
虹色の戦略の重要な点は反論されないようにすることです。例えば、量的な事実をもって返されることです。「君はITの分野で活躍しているけれど、時に自分の力に過信してしまって経験で得たことを活かせないことがあるね。」「いや、私はまだこの仕事について2年なのでそれほど経験はないよ。」
これはミスであるが、すり抜ける方法はあるので心配しないように。だからこそ、占い師はうまくいくのです。
細やかな誉め言葉‐Fine Flattery
細やかな誉め言葉は「周りよりもあなたが優れていると相談者をそれとなく誉めて調子を合わせてもらう」ことです。
例「あなたは周りの人よりもものすごく集中力がありますね!」
「あなたは一般の人よりもすごく向上心があって、成功できそうですね!」
ここで使える性格特性がいくつかあるので覚えておきましょう。
- 勤勉で仕事熱心
- 良心的
- 公平な考え方
- 温かく、愛情深い
- 独立心がある
誉め言葉の注意点は、お世辞に聞こえてしまってはいけないことです。周りの人より~という言い方が特に本人を喜ばせます。コールドリーディングではありませんが、心理的に誉める際のテクニックを1つ教えます。
他人から言われたことないところを褒める
「小指がすごく長くてキレイですね!」「瞳が円形状ですごく大きく感じられて可愛いいですね!」特に女性には有効です。これは相手が他の人に褒められたことのないところ褒めることによって、他人と差別化をし、記憶に残りやすくする目的があります。単純に「キレイですね!」「美人ですね!」はよく言われている人は飽き飽きしています。それを言われたところで相手は慣れてしまっているので、全然効かないということになります。一度、「初めて言われた(笑)」と言われるようなことを言ってみましょう。もちろん、女性の方も男性に対して使ってみてください。
シュガーランプ‐砂糖の塊のような心地よい言葉をかける
シュガーランプは「つまらない話を信じてくれたお返しに、相談者に心地よい言葉をかける」というものです。
例えば、異性にデートの誘いを断られたときに使います。「でも、忙しそうなあなたも素敵です。」という感じです。これは結構恥ずかしいかもしれません。ちなみに私は使ったことがありますが、そのときは「ありがとう(笑)」と笑われてしまいましたが、普段言われたことがない言葉を言われることは女性にとっても新鮮な刺激になります。スピードワゴンの小沢がいい例でしょう。甘い言葉は確かに恥ずかしいけど、言われた方は意外とキュンときます。特に女性に対してです。壁ドンなども実際やってみると効果抜群なものです。あれはジャニーズ系がやるからとか、そういう先入観は捨てて、恋人にしてみてください。
ジェイクイーズ・ステートメント‐The Jacques Statement
ジェイクイーズ・ステートメントは「誰もがぶつかる人生共通の問題について述べる」ことです。
例 「若いころに抱いていたあの夢、目標にしていたもの、そういうものはどうなってしまったんだろうと不思議に思うことがありますね。誰かに決められる人生ではなく、今度は自分の生き方をしてみたいと心の奥底で思ったところがあるのではないですか?」
これはよく占い師も使うだろう。あなたの悩んでいることが一般的に誰にでも当てはまる共通の課題を述べて、さも当たったかのように示す。占いはこういうことも要素の1つとして利用しているのです。
隣の芝生‐Greener Grass
隣の芝生は「選ばなかった人生への未練を利用」することです。「隣の芝生は青い」からきているものと思われます。
例 「あなたは拾い人脈とその温厚な性格によって、仕事で大きく社会に貢献してきました。しかし、そのために自分の時間も多く犠牲にしてきました。本来自分がやりたかったことや好きなことを十分にできない人生を送ってきた部分もあるでしょう。そのあたりがまだもやもやしていますが、これから半年の間に行動を起こせば、この問題を解決できるでしょう。」
自分の行きたい人生を歩んでこなかったという経験は誰しもあります。そこを利用して、相手の内面の気持ちを当てたふりをするのです。
バーナムステートメント‐Barnum Statements
バーナムステートメントは「大多数の人が自分のことと思う一般的な事柄を述べる」ことです。
例 「あなたは人から好かれたい、頼りにされたいという欲求があります。」
「あなたの夢や目標には困難な壁を乗り越えなければならないものがあります。」
「あなたは独立心が高く、独自の考えをもっています。できれば人に言われてするのではなく、自分で自由にやりたい人ですね。」
多くの人が思っていることや感じていることをあたかも個人が思っているかのように言うことで、誰に対しても当てられたと信じ込ませることができます。
曖昧な事実‐The Fuzzy Fact
ファジーファクトは、事実を述べているように感じられるが、たいてい受け入れられそうで、もっと具体的な事柄へと発展させることができるものです。
つまり、「曖昧なことを言っておいて本人の思い当たるところを探していく」というものです。
例 「アメリカとつながりがあるように見えます。何か英語に関することだったり、思い当たることはありませんか?」
「ヨーロッパとつながりがあるように見えます。英国かもしれませんし、地中海付近かも知れません。」
すると、相手は思い当たる。「スコットランドも含まれますか?」
こういう風に曖昧に提示していくことで、相手自ら情報を与えてくれるので、そこから話を更に広げていけるというわけです。
医療に関することなら、「胸のあたりに問題が生じているようです。」心臓などの内臓系で亡くなる人は多いので、高確率で当たるというわけです。
民衆の知恵‐Folk Wisdom
民衆の知恵は「誰もが知っている格言などを援用する」ことです。
ことわざや格言を文章で伝えるイメージです。
灯台下暗し「自分にとって大切なものは、気づいてないだけで実は近くにあるんじゃないですか?」
急がば回れ「近道をして楽するより、正当な方法で地道にいったほうが成功する確率は高いものですよ」
つまり、ことわざの意味をそのまま自分の言葉で言うと意外と相手の心に刺さるのです。ことわざを覚えておくと、いつでも応用ができます。
対照的な人物‐The Opposites Game
これは「相談者が嫌う人物を相談者の正反対の性格として描写すること」です。これが良く当たるもので、自分の嫌いな人・苦手な人は自分とは正反対の性格を持っているということが多いのです。
もし、相手が内向的で人と話すのが苦手な性格であれば、外交的で誰とでも仲良くなる人物が苦手である傾向が強いということです。必ずしもではありませんが、人は嫌いな性格の人は絶対と言っていいほどいます。初対面でこれを使うと、かなり「共感」を得られます。そこから、話を展開していけば、相手は自分のことをよくわかっていると思わせることができます。
プッシュステートメント‐The Push Statement
プッシュステートメントは「否定的な反応が返ってくるようなことをあえて語り、記憶を引き出す」ことです。例えば、もし自分が相手から「お前は自己中心的だ」と言われ、自分はそうでないと自覚しているなら否定します。このとき、「おれは周りのこともちゃんと考えている」と自ら自分の情報を提示してしまいます。つまり、勝手に想像を押し付けて、相手からの反発を利用して情報を引き出すのです。
コールドリーディングをかけられたときの防衛法
それでは、相手がコールドリーディングを使ってきた場合はどのように対処して、防衛するのかを説明します。占い師は特に大きな被害はありませんが、特に詐欺師などにかけられた場合は、必ずこの防衛法を思い出して、使ってください。
- リーディングの録音
これは堂々と相手と話すときにリーディングを録音したいと言って、テーブルの上に機材をおきます。あとでこの話をもう一度聞きたいと言えば、正当な理由にはなります。
- 冷静さを保ち、合理的でいること
効果的にリーディングをブロックするには、冷静に現在の状況を判断すること、穏やかな態度でいることが重要です。あたかも、リーディングに興味を持ち、相手がリーディングを提供したくなるような姿勢でいることです。
- 質問されたら、そのことをはっきりさせること
相談者「すいません、なんだか混乱してきました。あなたは私に何かを言わせたいのですか?あなたに情報を与えることを求めているのですか?」
占い師、詐欺師は様々な形でリーディングを偽装しようとする。コールドリーディングは相手から情報を引き出す話術なので、自ら情報を与えないようにすれば引っかかりにくくなります。
- 質問に答えないこと
占いというものは情報を与えるのではなく、お金を払って情報を受け取るものです。したがって、情報の提供を求められたり、質問されても、それを断って構わないのです。
占い師「ジェーンという名前に何か縁がありそうです、ジェーンとは誰かわかりますか?」相談者「ジェーンって誰ですか?何を聞きたいのかもう少しはっきりさせてください。」
相談者「私があなたに情報を提供しなければリーディングができないということですか?それでは占いの意味が分からなくなってきますね。」
こう言えば、占い師もたまったもんじゃないでしょう。
- フィードバックを提供しないこと
コールドリーディングは相談者からのフィードバックにかなり依存しています。つまり、フィードバックを提供しないようにすればいいです。質問をはぐらかすというのも1つの手です。
「すいません、どう答えたらいいかわかりません。即座にそうとも言えないし、今決めることはできません。」
- 要素を壊す‐構造を明るみに出し、破壊する
これを読んでいる人なら、コールドリーディングについてかなり理解してきたのではないでしょうか。コールドリーディングをかけられたら、その構造を分解して破壊します。
虹色の戦略を使ってきた場合
占い師「あなたは思慮深いですが、自分のなかに利己的な面があるようです。」
相談者「今の言葉は思慮深いけれど、同時に思慮深くないと言っているように思えるんですが。どちらが正しいのですか?」
いくつか前述したコールドリーディングの種類を覚えておけば、それを知っていることをさりげなく相手にも伝えられブロックできます。要素を壊すというこのブロックの仕方もかなり効果的です。
- サイキック・ベイティング‐餌で釣り、罠にはめる
これはつまり、リーディングに対して嘘の情報を教え、最後に嘘であったことを伝えるということです。しかし、これを使うと危険な立場に追い込まれたり、危害を加えられたりする恐れがあるので、使うのは自己責任でお願いします。
リーディングが当たっているかのように、占い師に嘘の情報を心よく提供して話を広げさせます。最後に占い師が話をまとめたところで、嘘の情報であったことを自ら伝えます。一応覚えておいてもいいでしょう。
コールドリーディングを恋愛に活かす
では、コールドリーディングを恋愛に活かせるのか?もちろんYESです。コールドリーディングは悪用をしなければ、異性を落とすために使ってもいいのです。相手がコールドリーディングを知っていなければ、の話ですが(笑)
活かすためにはこれまで説明した中で使えるものを選定して実際に使ってみることが大切です。
まずは相手と会う前のマインドスクリプトを使います。これは「彼女は僕のことが好きだし、僕も彼女のことが好きだからこのデートは必ずうまくいく」と心の中で思ってから、相手に会います。これをするだけでも、会った時の感触が変わってくると説明しました。
次に「親密な雰囲気をつくる」です。ラポールと呼ばれる親密空間を形成します。例えばナンパでもこのラポールをいかに早く作れるかが成功の分かれ目であります。
これは相手とすぐに親密になるテクニックですが、相手との共通点を3つ見つけることです。何でもいいですので共通点探しをすると相手と親密になりやすいことがわかっています。
コールドリーディングとしては、「虹色の戦略」「細やかな誉め言葉」「ジェイクイーズ・ステートメント」「バーナム・ステートメント」が使えます。
- 虹色の戦略
男「君は物静かに見えるし真面目そうだけど、実は人と話すことが好きで大勢といることが好きそうだな。意外とお茶面なところもありそう。」
言われた相手は自分のことをよくわかってくれていると錯覚します。認知的不協和という言葉が心理学であります。「相手と仲良くないはずなのに、仲良くなるほうに合わせようとすること」のように、矛盾した感情を行動と一致させようとすることです。
つまり、仲良い人なら知っている自分の内面を、初対面同然の人に当てられることによって、そんなに仲がいいわけでないのに、仲がいいほうに感情と行動を合わせてしまいます。虹色の戦略は1石2鳥ですね。
- 細やかな誉め言葉
これは特に初対面の異性に印象を焼き付ける、記憶に残すために言葉をかけてあげます。「あなたは他の人より、きれいですね」「あなたは一般の人以上に可愛らしいしぐさをしますね」という感じです。
これに加えて、絶対に他の人に言われたことのないことも交えます。
「あなたは他の人より、小指がすごくきれいですね」「あなたは一般の人よりも、髪の質が綺麗ですね」
「初めて言われた(笑)」と言われれば、こっちのものです(笑)
女性も男性に対して、「他の男性よりも大胸筋が盛り上がってますね」「一般の男性より、フェロモンはすごく出ていて素敵です」と言えば、男性の心に残る人になります。
是非使ってみてください。
- ジェイクイーズ・ステートメント
デートの相手は同じ世代であることが多いので、人生共通の課題も同じであることが多い。同世代は自分に当てはめることが異性にも当てはまる確率が高いので使ってみましょう。
「就職はすごく大変だったでしょ?お金もかかるし、学校のこともあるからね」
- バーナム・ステートメント
ラポールと共感を積み重ねるために、バーナム・ステートメントも使ってみましょう。
「ときにものすごく自分に批判的になったりするんじゃない?」「そうそう!よくわかったね!」相手に「共感」を与えることは、ラポールの形成だけでなく、相手を説得するのにも重要な要素の1つになります。
以上でコールドリーディングについてと防衛法、恋愛におけるコールドリーディングについてでした。恋愛だけでなく、ビジネス、人間関係でもラポールを形成するために役立ちますので、是非使ってみてください。
- 作者: イアンローランド,Ian Rowland,福岡洋一
- 出版社/メーカー: 楽工社
- 発売日: 2011/05
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (2件) を見る