嘘の見抜き方と真実である形跡
日々入ってくる情報はネットだけでなく、人からも入ってきます。そんなときに必要なのが、嘘を見抜く能力です。100%完璧に嘘を見抜くことはできません。しかし、嘘であることを疑うことは可能であり、事前に察知することで危険を回避することもできます。今回は人が嘘をついているかどうかの兆候と真実を述べている兆候の2つについて本を参考に考察していきます。
嘘の兆候と見抜き方
まず、嘘の兆候には非言語(顔、しぐさ)と言語・音声の2種類に分かれます。
言語・音声表現での嘘をついているときの話し方として、
- 消極的な言い方
- あまり意味のない情報
- 過度に一般化した言い方
- 質問に対する言葉少ない応答
- 自分とはあまり関連性のない情報
になりがちであると言われています。
また、前もって練習したような言い方、自然さを欠いた話し方、文法的な誤り、言い間違いも嘘の傾向があると言われます。人の話し方から嘘を見抜くときの特徴として、声の抑揚、声量、声の高さ、質問に対する応答速度の変化から評価することもできます。
表情と生理的反応としては「アダプター」と呼ばれる動作が増えます。これは、髪をかき上げたり、いじったりする神経的な癖のことを言います。
瞳孔の拡張もまた普段より多く見られます。瞳孔は自律神経によって支配されていて、自分ではコントロールすることはできません。
他に顔面や皮膚の紅潮、蒼白化、発汗、過呼吸なども嘘の兆候の要素として挙げられます。嘘の笑みというものは、口だけ笑っていて、目が笑っていません。口から先に笑っいた場合は嘘の笑みであると言えるでしょう。
その他嘘の兆候
- 簡単な説明
肝心な事柄について話すときに、かなり表面的な説明になってしまいがちです。つまり、相手が隠したいと思っていることを聞かれたときに、詳細を聞かれたくない心理が働きことで、説明が単調になってしまうということなのです。
- 主語を使わない
嘘をついている人は大抵自分を主語に使わない。「私たち」「みんな」といった複数人の表現が増える。一般的な話に切り替えて、自分と嘘の間に距離を置いていないか見てみよう。
- 答えのはぐらかし
嘘をついている人は、自分がとがめられている事柄や人から聞かれている質問とは関係のない視点からものを話そうとしてきます。子供によく見られるパターンでもあります。
真実である形跡
次に嘘をついている人とは逆に真実をいっているであろう人の兆候をいくつか説明します。
- 体系化されていない話
話を理解してもらうために時系列にそって話を戻すといったことはよくある。伝えたいポイントのみを時系列からところどころ取っていくことで、相手にわかりやすく説明してくる。逆に嘘をついている人なら時系列がバラバラになっていて、話がつながっていないことがよくあります。
- 詳しい説明の量
話の詳細が詳しければ詳しいほど、真実である可能性は高いと言えます。先ほども言った通り、嘘をついている人は質問をされたときに、簡単に答えようとしてきます。すでに言ったことを繰り返して、その話についての詳細を述べようとはしてこないはずです。
- 文脈の捕捉
「そのときはテレビを見ていて、お腹も空いていました。あ、テレビの内容は音楽番組でしたよ。」
このように後付けで文脈を捕捉してこようとします。これも真実の可能性が高いです。嘘をついている人なら、余計なことは言わないように最小限の文章で抑えようとしてくるでしょう。
- 会話の再現
その時に起こった会話のやり取りを再現することができていれば、真実の可能性が高いです。人が言ったことというのは、人の記憶に残りやすいもので、私たちもよく会話を思い出して話のネタにするときがあります。嘘をついている人はこんな会話の再現などした場合、作っているので同じ会話を2度もすることは難しいでしょう。
- 自発的訂正
「男性はノートパソコンで何か書いているようでした。何時間もあそこに座っていて注文したのはコーヒー1杯だけでした。あ、違います。途中でスコーンも注文していました。」
自ら起こったことの訂正をした場合はこれは真実である可能性が高い。真実を述べる証言者は、より正確に話そうとするあまりに、自ら思い出して訂正をするものです。嘘をついている人にこんな思考はなかなか生まれません。
- 記憶の欠落を認める、記憶違い
本当のことを話している人は心配とは無縁であるために、話をしている最中に、思い出せない情報や記憶の欠落を自ら認めます。
「どうしてそこにいたのか思い出せないのですが、みんなでそのホテルに泊まっていたのです。」
また、真実を述べている人に見られがちな「私の記憶違いかもしれませんが」というのも真実の可能性が高い。
以上、嘘の見抜き方と真実である形跡を述べてきましたが、100%嘘を見抜くことはできないと分かったうえで参考にしてください。嘘をつかないようにもしたいですね。
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参考文献
メンタリズムの罠‐ダレン・ブラウン
うそつき‐うそと自己欺まんの心理学‐チャールズ・V・フォード