【直観力】~要約~メンタリストDaiGo
直観とは「論理的な思考や意識的な観察を介さず無意識に意思決定や判断が行われること」。
今回はメンタリストDaiGo著の「直観力」を読んでみました。その要約と感想です。
直観力を味方にする3原則
最初の直観は90%当たる
イスラエルの大学の研究で「人間の直観は90%近い確率で的中する」ことが分かりました。
また、ドイツの研究では新聞を朗読させるだけで相手の知性が分かるということが報告されています。新聞を読ませて、朗読を聞いて感じた直観のみで相手が知性の高い人かどうかが高確率でわかったそうです。
これも面白いのですが大学生を2グループに分け初対面の教授を約4か月受けた場合と、同じ教授の動画を2秒見せた場合では、教授の評価等はほぼ同じであることが分かったということです。
このことから最初に感じた印象はほぼ当たってしまう、最初の直観はほぼ正しいことがわかります。
これは原始時代に人が動物を安全か危険かを一瞬で判断する能力が関係しています。
そうでないと、危険であれば死にいたってしまうからです。
「なんとなく」感じたのは過去の経験に基づいた最強の根拠です。
あれこれと迷うなら直観を信じましょう。
直観は鍛えることができる技術
直観は積み重ねた知識や経験、記憶のデータベースから引き出された答えのこと。
ヒヨコのオスかメスかを判別する「初生雛鑑別師(しょせいびなかんべつし)」という仕事があります。オスは鶏肉用、メスは鶏卵用に分けるために一瞬で性別を判断する必要があるそうです。しかも、1羽当たり約2秒、その正解率は99.5%と驚異的です。
これは経験の積み重ねが成し遂げる技術であると言えます。
つまり、直観は経験や記憶、知識を積み重ねれば習得できるようになるということです。
人は論理的に説明がつかない直観を否定しまいがちです。直観を活かせてない人の理由は「直観を信じていない」から。そして、理屈で説明ができないからです。
しかし、自分の内なる気乗りしていないサインに従っていい話を断れる人のほうが、結果として後悔しない選択ができるひとになり得るのです。
直観が鋭い人はすぐ行動している
行動なくして直観はなし。なぜ多くの人が直観が当たらないと思うか。それは直観があるのに試さないから。何もしなければ何の結果も生まれないということです。
「すぐ行動、すぐ修正で、何度もトライアル」か
「じっくり行動、じっくり修正、わずかなトライアル」か
どちらが良いかはもうお判りでしょう。
- 100%を求めず、70%で見切り発車をする
直観を活かせてない人、チャンスを逃す人は「慎重になりすぎるがゆえに腰が重くなる」という傾向があります。
また、直観を活かせている人は「とにかくやってみよう」という傾向があります。
100%まで考えずに70%くらいで思考を止めて、やってみる。あとの30%は直観を信じて行動してみましょう。
直観力がアップする7つの条件
直観がアップするのには7つの条件があります。
- 多くの知識
- クリエイティブな視点
- 脳の余裕・心の安定
- 損得よりも楽しさ&面白さ
- 仲間やライバルがいる
- 一芸に秀でる
- 脳にメリハリを(集中→ストップ→リラックス)
特にCSREを意識しましょう。
CSREとは思考のステップで、
C=Concentrate 集中して思考する
S=Stop 思考を一度止める
R=Relax リラックスする
E=Eureka ユリイカ(=見つける=直観で感じる)
の頭文字をとったものです。
C=Concentrate 集中して思考する
まずはその問題以外のことは何も目に入らないくらいにわき目もふらず、精力を傾けて集中して考える。
S=Stop 思考を一度止める
思い切り集中して考えたら、思考をいったんストップ。完全に停止させます。
R=Relax リラックスする
E=Eureka ユリイカ(=見つける=直観で感じる)
そして、思考が停止している状態でリラックス。お風呂に入ったり、音楽を聴いたりします。そうしてリラックスしている状態にあるときにこそ、直観が生まれてくることがあります。
一度この思考ステップを使ってみてください。なんらかの直観が生まれてくることでしょう。
直観を鈍らせる7つの罠
バイアスという言葉をご存じでしょうか?
例えば、「茶髪のやつにろくなやつはいない」という先入観がバイアスです。バイアスは直観や選択を鈍らせます。
ある学生に課題を与えて、「あなたはそのレポートを何日で仕上げられるか」という質問にほとんどの学生が「27日~29日」と答えました。そして、実際にはその2倍の56日かかりました。ところが質問を変えて「クラスメイトの○○さんはこのレポートに何日かかると思いますか」という質問をしたところ、ほとんどの学生が実際の日数に近い「56日前後」と答えたそうです。
つまり、多くの人は自分のことよりも他人のことを直観で判断するとかなりの確率で当たり、自分のことに関しては、甘く見積もってしまうことが分かりました。
確証バイアス・自己奉仕バイアス
自分とって都合のいい情報、自分の先入観を裏付けて、その確証となるような情報だけを集めようとする傾向があることを「確証バイアス」といいます。
また、自分のプライドや自尊心を守り、維持するために「失敗したのはあいつのせい」と自分を守ろうとすることを「自己奉仕バイアス」といいます。
自分は大丈夫というワナ
正常性バイアスというバイアスがあり、これは「自分にとって都合の悪い情報はスルーする、無視してしまう」ようなバイアスです。
振り込め詐欺が良い例ですね。自分だけは引っかからないと思っていても、引っかかる人が出てきてしまう。このバイアスは非常に危険です。
やっぱり、だと思ったというワナ
後知恵バイアスといいます。これは、例えば「やっぱりこう思ってたんだけどその通りになったな」というあたかも自分が以前から結果を予想していたかのような錯覚に陥ってしまうバイアスです。
物事が起きた後でその結果が予測可能だったと思ってしまう。よくやりますよね。
自分たちが正しいというワナ
内集団バイアスといい、例えば自分が所属している会社、団体は正しいと思ってしまうバイアスです。危険なものになると、テロリストがそうですね。うまくいかなかったときは周囲のせいにして、都合よく考えてしまいます。
みんながそうだからというワナ
多数派同調バイアス・リスキーシフトといいます。行動に迷ったとき、とりあえず周囲の人に合わせておけば大丈夫、みんなと同じだと安心だと考える傾向です。このバイアスはときに、危険を察知しても周りの行動によって生き残る術を失ってしまうこともあります。実際に韓国の地下鉄で起きた放火で200人が亡くなりました。煙が充満しているのに、周りが逃げようとしなかったことで、安心だと思い込んでしまったのです。
このバイアスも非常に危険です。
この思いは永遠というワナ
人は感情の将来的な持続に関して、過大に見積もる傾向があることがわかっています。
今の自分の感情がずっと続くと思ってしまう。恋によくありがちなバイアスです。
これを持続性バイアスといいます。
バイアスを回避する5つの生活習慣
以上のようなバイアスを回避するために、次の5つをしてみてください。
直観や感じたことは紙に書いておきましょう。そうすると思考と直観を比べて物事が判断できるようになります。
ブジャデは「いつも見ているものを全く別の視点でみるということ」です。
直観をうまく使い、より良い判断ができるようになりましょう。
もっと詳しく知りたい方は本書で。